出産前の「おしるし」って? 対処法は?

臨月の近づいた妊婦さんなら、医師や助産師、家族や先輩ママとの会話の中で「おしるし」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。いつはじまるかわからないお産にドキドキなのは、はじめてでも二人目以降でも変わりないもの。せめて前兆があるなら見逃さず、すこしでも心構えできたら…と思うのではないでしょうか。
それではまず、おしるしとはいつ、どのように現れるのかをみていきましょう。

おしるしとはどういうもの? いつみられるの?

おしるしとは妊娠37週過ぎにみられる、出血混じりのおりもののことを指します。この時期、子宮は出産本番に向かい収縮を繰り返すようになりますが、そのことにより赤ちゃんを包む卵膜と子宮壁がずれて卵膜の一部が剥がれおち、出血することがあります。それらが膣内の粘液に混じってでてくるもので、昔から出産が近づいたサインとされています。
おしるしから数日後に陣痛、破水と続くことが多いようですが、陣痛とほぼ同時だった、あるいは、おしるしから陣痛まで一週間以上待ったという人もいます。おしるしが出産の始まる前ぶれであることは間違いありませんが、どれくらいで出産に至るかには個人差があり、一概にこうと言うことはできないようです。

おしるしを経験する産婦は半数以下

実はおしるし自体、出産前に必ずみられる現象というわけではなく、一説によるとおしるしを経験する妊産婦は40%程度ともいわれています。つまり、おしるしがないまま破水や陣痛から始まる人もそれなりに多いということですね。また同じ人でも「一人目のときはあったけど、二人目はなかった」という例も珍しいことではないのです。なので37週を過ぎてもなかなか見られない…と不安になる必要は全くありませんが、当てにし過ぎるのも禁物。やはり正産期に入る頃までには、いつ出産を迎えてもいいように、準備を進めておきましょう。

これっておしるしなの? 病的な症状との見分け方

おしるしの色は、とろみのある透明や白色の粘液に血が混じったもので、褐色や薄いピンク、あるいは鮮やかな赤い血だったりと様々です。量も少しだけの人や月経のように多く出たという人もいて、ここでも個人差が大きいようです。
また、子宮の開き具合をみる内診後に出血がみられることもありますが、医師が陣痛を促すため卵膜と子宮内壁を指で剥がすように刺激することがあり、その際の出血はおしるしとは違うものです。
おりものや出血が見られ、おしるしかどうか迷ったら、以下のような項目が判断の目安になるかもしれません。参考にしてみてください。

    • 37週未満(正産期前の出血はおしるしではない、早産の可能性も)
    • 持続的な痛みがある(陣痛なら断続的な痛み)
    • お腹が張り、胎動が少なくなる(常位胎盤早期剥離の可能性)
    • サラサラしたおりものが止まらない(前期破水の可能性)
    • 出血が多く止まらない

上記のような場合、あるいはすこしでも判断に迷う場合には、すぐにかかりつけの病産院を受診しましょう。

おしるしがみられたら、どうすればいい?

まずはショーツに生理用ナプキンを充てるなどしましょう。痛みが同時にある場合は、陣痛が同時に来ている可能性もあるので、安静にして様子をみます。お腹がギューッと締め付けられるような痛みが押し寄せては引いていくような感じが繰り返すようなら、前駆陣痛かも知れません。不規則だった痛みの間隔がだんだんと規則的になってきたら間隔を計り、かかりつけの病産院に連絡して指示を仰ぎましょう。
痛みやお腹の異常な張り等が見られないようなら、いつでも病産院に迎えるよう、これまでにしてきた準備を確認しながら、できるだけ心身を休めるようにしてください。

ちなみに正産期までに準備しておきたいのは、

    • 受診のタイミング、出産当日の流れやバースプランをかかる予定の病産院に確認しておく
    • 当日の連絡先をリストアップ
    • 時間帯や状況に応じて、病産院への移動手段の手配
    • 入院時持参する手荷物を最終確認
    • 留守を預ける家族へ引き継ぐ事柄をリストアップ
    • 退院後すぐに赤ちゃんのお世話ができるよう、ベビー用品を揃えておく
    • など。ひとりでいるとき突然破水したり、陣痛の痛みが強くなってからあわてないよう、臨月に入るまでには準備を終えておきたいですね。
      急な体調変化に備え、なるべく自宅で過ごすようにしますが、どうしても出かける必要がある場合は、外出先でお産が始まってもすぐ病産院に直行できるよう入院時の必需品(母子健康手帳/健康保険証/ナプキン・タオル(破水用)/スマートフォン・携帯電話/病院へのタクシー代)を持ち歩くようにしましょう。
      出産が近くなると、赤ちゃんの頭が骨盤付近まで下がってくることで脚の付け根や恥骨付近が痛んだり、神経が圧迫され足腰にしびれを感じることも。そうしたときは、痛む箇所を温めて血液の循環をよくしながら、自分が楽な姿勢をみつけて休むようにしましょう。また、神経が高ぶって寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることもあり、疲れを感じたら少しでも横になり、出産本番に向け体力を温存するよう、心がけてみてください。

      お産は人それぞれ。おしるしの有無にとらわれず備えましょう

      出産は個人差が大きいといわれるだけでなく、同じ人であっても毎回違うお産を経験したという感想が多く聞かれるほどです。また、これほど科学が進んだ現代にあっても、妊娠や出産には解明されていない謎がまだ多く残されています。コントロールや予測できることには限りがあるという前提で、情報や他人の体験談に過度に反応せず、できるだけの備えを尽くしたらあとは自然に任せる、というくらいの心づもりで過ごしてみてはいかがでしょうか。ただし、自己判断は禁物。不安を感じるほどの出血や痛み、陣痛が始まらないのに赤ちゃんの動きが少なくなるなどしたら、まよわず病産院を受診してくださいね。