おしるしから陣痛までの流れと、お母さんの知っておきたい陣痛までの過ごし方

お腹がどんどん大きくなってきて、出産予定日まであと少し!という頃、初めての出産の方は「陣痛ってどんなタイミングでどんな風に来るんだろう」「どんな用意をしておけばいいんだろう」と気がかりなことも多いですよね。そこで今回は、出産に向けておしるしから陣痛までの流れと、陣痛が起こるまでの過ごし方についてお話したいと思います。
あらかじめ知っておく事で、少しでも気になる事が解消され、余裕を持って初めての出産を迎えられたら幸いです。

●おしるしとは

おしるしは、医学用語で産徴と呼ばれています。お産が近くなり、予定日の2~3週間前になると、お腹がよく張るようになります。これは、前駆陣痛が起こって身体が出産の準備をしているためです。前駆陣痛による子宮収縮に伴い、子宮の出口である子宮頚管が徐々に開いてくると、赤ちゃんと羊水を包んでいる卵膜と子宮壁の間にズレが生じて、少量の出血が起こる事があります。その血液が、それまで子宮頚管を塞いでいた粘液と共に膣外へ押し出されてきたものを「おしるし」と言います。卵膜に血液が付着したものであるため、粘り気があることが多く、「ドロッとした血の混じったおりもの」と例えられます。
お産が始まる前兆として認識されていて、一般的にはおしるしがあってから数日中に陣痛が始まることが多いようですが、中には1週間近く経過してから陣痛が始まったという話もあり、個人差があります。「おしるし自体が無かったお母さんは8割近い」というデータもあるため、おしるしが来ないことで不安を感じることはありません。
つまり、「おしるしが無いから出産はまだ」とはいいきれませんが、「おしるしがあったら出産はもうすぐ」と思っていいでしょう。

●おしるしの色や量は個人差が大きい

おしるしの色は透明のおりものに出血が混じって薄いピンク色のような色が多いようですが、出血から時間が経って出てきた場合には茶色っぽくなってる場合もあり、中には乳白色や鮮血の色といったケースもあるようです。
量はおりものシートに少量つく程度のものから、生理の少ない日位の量まで様々で、陣痛が起こってどんどん子宮口が開いてくると生理の多い日位に出たという人も居ます。
回数については出産の一週間くらい前から何度も出る場合もあれば、そもそも全くないという岡さんもいるので、個人差が大きいです。

●おしるしと破水や異常出血との違い

前述したようにおしるしには個人差があり、その量や性状は様々です。そのため、おしるしと区別がしにくい症状がいくつかあります。
まず、出産前に起こるものとして、おしるしの他に破水があります。初めての出産の場合、この破水とおしるしの違いもピンと来ないかと思います。また、お腹の赤ちゃんが大きくなるにつれ、子宮の下にある暴行が圧迫されるため、妊娠中は尿漏れしやすく、くしゃみなどの衝撃と共に尿が漏れてしまう事もあります。破水か尿漏れかも最初は分かりにくく感じる人が多いです。
おしるしは出産前に起こる少量の出血と前述しましたが、おしるし以外にも出血を起こすものがあります。出産前は膣内がとてもデリケートになっていて、傷つきやすくなっています。そのため、産院での内診の際、医師が気を付けて触診を行っても傷がついてしまい内診出血を起こしてしまう事も珍しくはありません。出産前に起こる危険な異常出血との違いも気になるところです。
では、破水や尿漏れ、異常出血などとはどう見分けたらよいのでしょうか?以下にその違いを簡単にまとめてみました。

《おしるし、破水、尿漏れ、内診出血、異常出血の違い》

性状 タイミングや量 臭い 疼痛
おしるし ピンク

乳白色

茶色

鮮血

粘り気が強い 少量

月経の開始時の量

無臭

おりもの同様

無し
破水 無色透明

乳白色

ピンク

サラサラ 一気にコップ一杯量

徐々に出続ける

自身で止めれない

無臭

生臭い

甘酸っぱい

無し
尿漏れ 黄色っぽい サラサラ 何かの衝撃と共に少量~中量

自身で止めれる

アンモニア臭 無し
内診出血 ピンク

茶色

鮮血

サラサラ 内診直後にごく少量 無臭

おりもの同様

無し
異常出血(常位胎盤早期剥離) 鮮血 サラサラ 少量 無臭

血液の臭い

激痛
異常出血(前置胎盤) 鮮血 サラサラ 大量
止まらない
無臭

血液の臭い

無し

あくまで目安としての簡単な違いで、個人差も様々ありますので、必ずしも表の通りとは限りません。自分では分かりづらく不安がある場合は産院に電話をしたり、受診する事をお勧めします。

●おしるしから陣痛まで

出産前の症状の流れとしては、前駆陣痛→おしるし→破水→本陣痛となりますが、個人差があり、前駆陣痛やおしるしがないまま破水し、本陣痛が来るという場合もあります。
おしるしが確認できても即出産になることはありません。通常では、2、3日後に出産になる場合がほとんどです。なので、まずは月経時と同じ様に生理用のナプキンを当てて落ち着いてください。汚れや細菌感染を防ぐ事ができます。ナプキンはこまめに換えるようにして下さい。
即出産になることはないとはいえ、いつ陣痛が来て、破水があるかも分かりませんので、動き過ぎないようにしましょう。おしるしが来ても、陣痛がなく、破水していなければ病院に行く必要はありません。しかし、出血の量が多かったり、何度も出血をしてしまったり、痛みがある場合には、前述したような異常出血の可能性がありますので病院に連絡してください。
体調も良く、出血量も少なければ、通常通りの生活をして構いません。ただし、すぐに陣痛が来る可能性もありますので、無理はしないようにしましょう。

●陣痛までの過ごし方

おしるしが来たという事は出産に向けての準備が進んでいるという事です。慌てずしっかり準備しておきましょう。
おしるし後、陣痛までの過ごし方のポイントを以下に挙げます。

1.おしるしの来た時間や量、性状などを記録しておく

おしるしに気づいたら、時間や色、量、その時の体調などを記録しておき、近々妊婦検診があれば、その際に「いつおしるしがあったか」「何色だったか」「どの程度の出血量だったか」などを医師に報告しましょう。記録しておく事で、おしるしからどれくらいで陣痛が来たかを自分で把握する事ができ、2人目以降を出産する際の参考にもなります。
また、そのまま陣痛が起こるかもしれないので、痛みの間隔も調べておきましょう。病院に連絡するタイミングは、初めてのお産なら10分間隔、経産婦なら15分間隔になった時が一般的です。病院側とのやり取りは、本人が一番正確にできますし、お母さんの声の感じからも医師やスタッフは沢山の情報を読み取りますので、できるだけ自分で連絡するようにして下さい。

2.家族に知らせる

すぐに陣痛が起こる場合に備え、家族にも連絡をしておきます。「もうすぐ生まれるかも」と伝えておく事で、お父さんも立ち合いなどに備え仕事の調整ができますし、遠方からくる家族も準備しやすくなります。
また、お産による入院で家を留守にする事を考え、普段のゴミ出しや洗濯などの家事について、リストにして渡しておく事をお勧めします。入院中に着替えなどを持ってきてもらう場合に備え、しまっている場所を記載して渡しておくと必要になった際にスムーズです。

3.入院準備をする

いつ陣痛が来てもいいように、入院準備をしましょう。病院に指定されたリストを見ながら必要なものが揃っているか確認し、玄関先などわかりやすい場所においておきます。
入院グッズの準備自体は、遅くとも妊娠36週頃までに済ませておきましょう。36週までが目安ではありますが、多くのお母さんは体調が安定している妊娠8~9ヶ月頃に、新生児期に必要なベビー用品も含めて揃えてしまっているケースがほとんどです。体調が安定している日にご家族と一緒にゆっくり買い物に出かけ、徐々に揃えておくと良いでしょう。最近では雑誌や赤ちゃんグッズ専門店などで、入院前に準備しておくグッズのチェック表も配布されています。それを利用して揃えてもいいですし、病院に指定されたものに自分自身が必要なものを加えたオリジナルリストをあらかじめ作成しておくのもいいですね。
入院グッズを置いている場所は家族にも伝えておきましょう。万が一、外出先で破水してしまうなど自分自身で持ち出せなくなった場合でも、慌てずに後で家族に運んでもらう事ができます。
また、「カメラやビデオは用意したけど充電がない!」というケースがよくあるので、このタイミングで一緒にチェックしておくと良いでしょう。

4.身体を温めリラックスする

おしるしがあっても入浴は可能です。身体が冷えていると、陣痛が起こりにくいので、入浴して身体を充分に温めてあげると良いでしょう。産後はゆっくりと入浴を楽しむ時間が無くなってしまいますので、この機会にゆっくり入浴を楽しんでリラックスしましょう。
ただし、おしるしがなく、先に破水してしまった場合には入浴は控え、ただちに参院へ連絡し受診しましょう。

5.家を空ける準備をする

時間と体調に余裕があれば、洗濯や掃除などの家事や食材整理をしておきましょう。
入院で1週間ほど洗濯ができなくなるので、おしるしで汚れた下着など、お産が進んでバタバタする前に早めに洗濯してしまうと良いでしょう。
里帰り出産をしない場合や、退院後身の回りの手伝いをしてもらう人が傍に居ない場合、作り置きできるものがあれば作り置きし、冷凍できるものは冷凍しておくと、産後とても楽になります。

6.もしもの時の連絡先を確認

「外出先で陣痛がきたけど、充電が切れてて携帯電話が使えない!」などといったトラブル回避のため、産院や家族の連絡先など、もしもの時の連絡先は携帯電話のメモリー頼りにせず、母子手帳など身につけて持ち歩くものに書き写しておくようにしましょう。

●おしるし後陣痛が来ない場合

前述したように、おしるしから1週間以上経っても陣痛が来ない事もありますので、神経質になる必要はありません。初めての出産で、「陣痛に気づかなかったらどうしよう」という不安を抱くお母さんも居るようですが、かなりの痛みがありますので、気づかないという事はまずありません。リラックスして陣痛が来た時のための準備を進めましょう。
もし、なかなか陣痛が来ずお腹の中の赤ちゃんの事が心配になったら、胎動に気を付けてみて下さい。臨月になると赤ちゃんが大きくなり、子宮の中が狭くなって動きにくくなるため、胎動を感じにくくはなります。しかし、全く動かないという事はありません。急に長時間感じられなくなったなどの変化がある場合は、なんらかのトラブルが起こっている可能性がありますので、早めに産院の医師に相談して下さい。もし何かトラブルが起こっていたとしても、早めの対応で解決されるケースが多いです。

●こんな場合はすぐ病院へ!

妊娠37週以降の生産期に粘り気のある少量の出血があれば通常のおしるしです。しかし、以下のような場合は自己判断せず、病院へ連絡するようにしましょう。

1.37週以前の出血

妊娠37週以前にお腹の張りを伴う少量の出血があった場合、切迫早産の兆候である可能性があります。切迫早産とは、妊娠22週~37週の間に分娩となってしまう一歩手前の状態の事を指し、全体の5%の妊婦さんが経験すると言われています。必ず病院に連絡をしましょう。

2.激痛を伴う出血

出血量が少なくても、お腹に強い痛みがある場合、お腹がカチコチに硬くなっている場合は常位胎盤早期剥離の可能性があります。常位胎盤早期剥離とは、何らかの原因で赤ちゃんがまだお腹の中に居るうちに胎盤が子宮の壁からはがれてしまう状態の事を言います。胎盤が剥がれると子宮壁から出血し、「胎盤後血腫」という血の塊が子宮壁と胎盤の間にでき、母体のみならず栄養や酸素を必要とする赤ちゃんにまで影響を及ぼす怖い疾患です。
陣痛との痛みの違いは、陣痛には収縮する時と緩む時で痛みの強弱がありますが、常位胎盤早期剥離の痛みは強くて持続的な事が多く、急激な腹痛から始まるのが特徴です。

3.大量の出血、出血が止まらない

前置胎盤による出血の可能性があります。前置胎盤とは、通常子宮上部に形成される胎盤が、子宮口に全部もしくは一部が被さる形で形成されている状態の事です。前置胎盤になると妊娠後期に入って子宮が伸びてきた際に胎盤が一部剥がれ、そこから出血を起こします。また、前置胎盤の場合は胎盤と子宮が癒着している場合が多く、赤ちゃんよりも胎盤が先に胎盤が出てきてしまい、大量出血を起こしてしまうのです。このため、自然分娩は困難で、帝王切開による分娩がほとんどです。
多くは妊婦検診の超音波検査により前置胎盤と診断されるので、何も知らないまま臨月まで過ごすという事はありませんが、前置胎盤では妊娠28週目以降になると出血の可能性が高まりますので、少量の出血でも注意が必要です。

●まとめ

おしるしと、おしるし後の流れや過ごし方についてご理解いただけたでしょうか?
初めてのお産だと色んな不安があるかと思いますが、前もって知っている事で解消できるものもあります。逆に知ってしまった事で起こる不安もあるかもしれませんが、きちんと妊婦検診を受け無理をしない事、何かあったら産院に相談する事を心がけていれば大丈夫です。今しかないマタニティライフを充分に楽しんでくださいね。