【妊娠11週】ママの状態と赤ちゃんの状態・症状

patient-470514_960_720

© 2016 Pixabay

妊娠11週め・ママの状態

引き続き、妊娠7〜11週頃がピークというつわりのツラい症状が続きますが、それもあと少しの辛抱。つわりに悩まされてきたママはこの時期精神的にも肉体的にも疲労困憊。上手に周囲の協力を仰ぐなどして、この時期を乗り切りましょう。

子宮の大きさ:グレープフルーツ大に

この時期の子宮の大きさはグレープフルーツ大、さらにひとまわり大きくなりました。この1〜2週間で赤ちゃんの腎臓が完成し、おしっこをするようになると、羊水はさらに増えていきます。

子宮が大きくなって膀胱を圧迫することで、トイレが近くなることがありますが、水分補給は引き続き重要になります。

つわりのピークが続く

妊娠12週頃から落ち着くといわれるつわり。あと少しといわれてもツラいものはツラい!と言いたくなるママさんも多いことでしょう。

つわりは体質や習慣、環境など様々な要因が関係するため、現代科学でも原因は特定できていません。ホルモンが嘔吐中枢を刺激する説、赤ちゃんを異物とみなして拒絶反応を起こす説等が有力視されていますが、近年、血液や細胞内の電解質のバランスが崩れるために起こるという新たな仮説も出てきました。

「妊娠時は赤ちゃんの骨の形成にカルシウムを大量に必要とし、不足するとママの骨から溶け出して骨粗鬆症になるリスクが上がるので、カルシウムを含む食品をとりましょう」

「マグネシウムはカルシウムの吸収を妨げるので、摂取は程々にしましょう」

「妊娠高血圧症候群の予防のため、塩分を控え薄味の食事を心がけましょう」

どれもすでに定説としていわれていることですので、耳なじみの方もいるかもしれません。ですが各々の栄養素は互いに影響しあって作用しています。よいと言われた成分ばかり集中的に摂取したり、逆によくないと言われた成分を徹底的に排除したりすることは、かえって正常な働きを妨げてしまいます。

たとえば、カルシウムを抑制するマグネシウムが不足すると、カルシウムの絶対量は不足のまま、相対的に過剰な状態として作用し、高カルシウム血症の主症状である胃腸障害が引き起こされている可能性も指摘されています。

マグネシウムはストレスによっても尿中に排出されてしまいますし、もともと吸収されにくい性質の栄養素なので、食品から摂る場合は意識的に避けなくても、過剰になることはほとんどないといわれています。むしろ体調変化のストレスでマグネシウムが不足している可能性があるところへ、せっせと牛乳や小魚、カルシウムのサプリメントなどを毎日大量に摂っているとしたら…どうなるでしょう。

また、塩分を極端に制限することで、不足したナトリウムがカルシウムと同じように、骨から溶け出して補われることがあります。その際、カルシウムも道連れにして溶け出してしまうのだそうです。そして唾液中のナトリウムや塩素量が不足すると、でんぷん質が分解できないため美味しく感じられず、消化吸収も悪くなるので、げっぷや胃もたれの一因になるといいます。

真面目なママさんほど、よいものはたくさん!よくなさげなものは徹底的に除外!となりがちですが、大切なのは過不足なく、バランスよく、という基本姿勢ではないでしょうか。

つわりと上手につき合う方法

吐く、吐き気がする

→少量(150ml程度)の炭酸水を飲む

少量の冷たい飲み物は胃腸の蠕動を促します。炭酸水も胃がスッキリしますが飲み過ぎは逆効果。逆流性食道炎がなければ、レモンなど酸味のあるものを絞ってもよいでしょう。

→塩飴を舐める、ガムを噛む

唾液中のナトリウムや塩素が不足していると、食後いつまでも口中がべたつくような不快感が残ることがあります。塩分を含んだ飴をなめると、唾液がサラサラし口の中がさっぱりすることがあります。ガムも唾液量を増やすので、酸性に傾いた口中の不快感を軽減します。匂いで吐き気が刺激されないようなら、家や鞄の中にガムを常備しておきましょう。

→食べられる時に食べられるものを、少量ずつ

栄養のバランスが気になる時期ですが、赤ちゃんが必要なものはママの体内から優先的に届けられています。まずは水分補給を優先に、食事は食べられる時に食べられるものを。温かい食べ物や汁物がダメでも、冷ますと匂いが気にならなくなり食べられるようになることがあります。また、レモン汁や酢は食品に含まれるアンモニア臭を消すので、食べやすくなります。そんなことからも、妊娠すると酸っぱいものが食べたくなる、という通説が生まれたのかもしれませんね。

匂いに過敏になる

→アンモニア消臭マスクをする

ご飯の炊ける匂い、人の体臭…妊婦さんが不快に感じる臭いの元は、主にアンモニア臭であることがわかってきました。ほとんどすべての食品に含まれ、加熱することでより多くアンモニアが発散します。また人の汗や皮脂が酸化することでもアンモニア臭が発生します。低濃度のアンモニアは芳香と感じられることがありますが、妊娠時は臭神経が敏感になっているため不快な臭いと認識してしまいます。

調理中や人混みに出かける必要がある場合など、防臭マスクをすることで不快感を軽減することができます。「アンモニア消臭マスク」で検索すると、いろいろなメーカーから発売されている製品を見ることができます。

→好きなにおいを嗅ぐ

妊娠すると食べ物や匂いの好みが変わると言いますが、自分が心地よいと感じる香りがあれば、それを身につけたりそばに置いたりすると、気分転換になります。

ただし、ハーブやアロマオイルの中には、子宮収縮を促すものがあるので注意が必要です。シナモン、ジャスミン、フェネル、セージ、レモングラスなどは妊娠時に適さないと言われています。購入するときは専門店の店員などに相談して選びましょう。

眠い、だるい

→ゆとりを持った行動を

ホルモンバランスの関係で、昼夜を問わず眠気に襲われたり、注意力が散漫になります。また、外出先で突然の体調不良に陥るかもしれません。妊娠前にはできたことができなくなると不安やストレスを感じてしまうかもしれませんが、妊娠時は平時の6〜7割のパフォーマンスで当然ととらえ、あらかじめ所要時間を多めに見積もって行動するようにしましょう。

→メリハリのある生活をこころがける

不用なストレスをためないようリラックスすることは大切ですが、動けるときは動けるようにし、規則正しい生活を心がけましょう。ホルモンバランスによりセロトニンが不足することもあるので、朝はカーテンを開けて日光を浴びるようにします。

リラックスしているときは副交感神経活性が優位です。副交感神経活性が高い人ほど、つわりが重くなるという調査結果もあります。つらい時に無理をせず身体を休めるのはもちろんですが、そのままダラダラしてしまう癖をつけないようにしたほうがよいでしょう。

交感神経活性優位に切り替えるには、熱めのシャワーをさっと浴びる、起き抜けに水を飲む、などが効果的なようです。

その他の気になる点

健診で子宮内に「血腫」「出血」があるといわれた!

妊娠初期に多いのが絨毛膜下血腫。子宮内で胎盤が作られる時にできる血の固まりです。「子宮から出血」と言われたら新米ママにはショッキングなものですが、これらは問題ないケースがほとんど。赤ちゃんの心拍が確認されていて、医師から特に何もいわれなければ大丈夫。血腫はいずれ自然に吸収されて消え、出血も安定期に入れば次第におさまるケースが多いようです。

安定期前だけど、この時期の運動や外出は?

〜15週めまでの妊娠初期は、やはり流産や急な体調変化の怖れがあるので、飛んだり跳ねたり、あるいは転倒の危険がある活動は避けたほうが無難です。運動をしたいならマタニティ・ビスクやマタニティ・ヨガなど、妊婦に合わせた強度や体勢のものにしましょう。

ショッピングや映画・音楽鑑賞など日帰りのレジャーは体調さえよければ問題ありません。ただし敷地内を歩き回ったり、長時間行列したりのレジャー施設は、妊婦にとって思った以上に負担になるものです。ゆったり見て回れたり、途中で腰を下ろせるところがあるような水族館・動物園・美術館などでしたら問題ないでしょう。

温泉は、妊娠前よりのぼせやすくなっているので入浴するなら短めにしましょう。泉質によっては禁忌に妊婦が挙っているところもあるので、事前に調べていくようにします。泊まりがけの旅行も、安定期に入ってからのほうが楽しめるでしょう。

また、なかなか人には聞きづらいのが、妊娠中の性生活。妊娠初期は子宮が収縮して出血したり、感染や流産のリスクもゼロではないので、この時期はまだ挿入をともなう性行為はおすすめできません。体調の良い時にふれ合いを楽しむ程度にしましょう。

 

妊娠11週め・赤ちゃんの状態

この時期の赤ちゃんの大きさ(頭臀長)は50〜60ミリ。内蔵も完成に近づき、赤ちゃんの体内ではすでに人体としての営みが始まっています。

この時期発達するパーツ

甲状腺

甲状腺とは喉ぼとけのすぐ下あたりに位置する小さな器官です。ここから、「サイロキシン」「トリヨードサイロニン 」「カルシトニン」という名前のホルモンを分泌します。

一般的に甲状腺ホルモンと呼ばれているのが「サイロキシン」と「トリヨードサイロニン」で、全身の新陳代謝を活発にしたり、神経や活動の調整をする働きをしています。また、胎児の成長や、子供の体や脳の発育や発達を促進させる働きをするなど、生きていくために必要不可欠なホルモンです。

この器官ができあがると、胎児の甲状腺はヨードを大量に取り込み始めます。そうした時期にヨードが不足すると胎児の成長が阻害され、死産や早産・低体重児、または出産後に先天性甲状腺機能低下症になるリスクがあると言われています。そのためヨウ素のサプリメントを勧められたり、すでに飲用している妊婦さんも多いことでしょう。

一方で、過剰に摂取しても出産後の赤ちゃんに甲状腺機能障害が生じることがあるという報告が厚労省から出されていますので、この時期から20週頃までは、ヨードを大量に含む海藻類、特に含有量の多い昆布を食べ過ぎないよう気をつけたほうがいいかもしれません。ヨウ素の1日の耐容上限量は妊娠中の女性で2,200μg(2.2mg)とされていますが、水戻しわかめ10gに190μgに対し乾燥昆布5gでは約12,000μgと、昆布に含まれるヨードの量は桁違いに多いためです。

膵臓・胆のう・脾臓・腎臓

膵臓は血糖値のコントロールを司るインスリンを分泌する器官です。この時期から、もうインスリンの生産を始めています。

胆のうは肝臓で作られた胆汁という消化液を貯蔵・濃縮する器官です。胆汁は脂肪を消化するのに必要な消化液です。

先週まで胎児の血液は肝臓で作られていましたが、脾臓ができあがると、赤血球は脾臓で作られるようになります。

腎臓も完成に近づき、赤ちゃんは羊水を飲んでおしっこをするようになります。おしっこをした羊水を飲んで大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、老廃物は胎盤を通じて常に濾過されていて、3時間ごとにすべての羊水が入れ替わるというように、清潔が保たれているのです。赤ちゃんは羊水を飲み肺に入れることで、呼吸の練習をしているともいわれています。

骨格・皮膚など

あご、口の内側の骨ができ、口をパクパクできるようになりました。鼻と口の通り道も分けられ、鼻で息をしながら口からものを飲み込むということもできるようになります。

歯茎では乳歯に加え、永久歯の元となる部分も作られ始めます。

この週から赤ちゃんの大腿骨長を測定できるようになり、頭臀長に加えて、発育の目安とされます。この骨の大きさによっては、出産予定日を修正したりすることもあります。

皮膚感覚が発達し、振動や温度を感じるようになるのもこの頃と言われています。

もすでに出生児とほぼ同じ構造ができあがっています。

手のひらをニギニギしたり、何かに触れると驚いたように動く姿(原始反射)が見られるなど、画像を見るのが楽しみになってくる頃です