つわりはいつから?原因・症状・対策も解説

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引用元:生理後の吐き気の原因は本当に妊娠?生理後の吐き気の理由と原因の1番目の画像

つわりとは、妊娠初期の妊婦に見られる生理現象で、主に吐き気や胃のむかつきなど消化器系の症状として現れるもの。程度や症状には個人差がありますが、実に妊婦の70〜80%が経験するといわれています。

つわりはいつから始まるの?

ドラマのワンシーン、女優さんが突然「うっ」と口を押さえて洗面所へ…。妊娠が判明する場面でよく使われるおなじみの描写ですが、あれは実際いつ頃のことなのでしょう?
つわりは、早い人では妊娠5週目頃から始まるといいます。生理予定日に生理がこない…という時点をおよそ妊娠4週目と数えますので、ちょっと遅れているだけと思っていたら「突然の吐き気で思い当たる」というあのシーンも、じゅうぶんあり得るわけです。

おめでたいこととはいえ、心や環境を整える間もないまま、体調不良に振り回されることからはじまるのでは、つらいですよね。妊娠を意識したときから情報を得たり心構えをしておくと、いざという時すこしは余裕が持てるかもしれません。

つわりの原因は?

つわりの原因には諸説がありますが、いまだに究明されていないというのが実情です。遺伝、体質、環境、生活習慣、栄養状態、そしてその組み合わせ…といった条件が千差万別かつ複雑であるため、比較検証が困難なのです。
そのなかで、現在有力な説としては

  • 妊娠初期に分泌されるhcg(ヒト絨毛ゴナドトロピン)というホルモンが嘔吐中枢を刺激する
  • 身体が赤ちゃんを異物としてとらえてしまい、拒絶反応が起きる
  • ホルモンバランスの急激な変化で自律神経(交感神経/副交感神経)が失調状態になる

などがあります。

原因ははっきりとわかっていないものの、つわりがおさまるのはほとんどの場合妊娠12週〜15週、子宮内で胎盤が完成する頃です。胎盤が完成すると、赤ちゃんに栄養を送ったり排泄物を処理したりという作業を胎盤が肩代わりしてくれるようになるので、母体への負担が軽くなるとされています。

つわりの症状は?

つわりといえば主に吐き気や胃のむかつきといった消化器症状、あるいは〝食べづわり〟といわれる食欲過多、特定の匂いに過敏になるなどの症状が知られています。なかには吐きづわり・食べづわり両方の症状に悩まされた、という人もいるようです。他にはひどい眠気に悩まされる〝ねむりづわり〟、唾液が異常に分泌される〝よだれづわり〟、不眠や頭痛、腰痛やこむら返りといった症状も聞かれます。ここでは一般的な消化器症状を中心にみていきましょう。

吐き気や胃のむかつきはどうして起こる?

妊娠すると、赤ちゃんに栄養や酸素を送り込むため母体の血液量が急激に増えます。量は増えても血液を構成する各成分が追いつかず、ミネラル分のバランスが一時的に大きく崩れる(専門的には『血清浸透圧が低下する』)ことが、つわりの症状に深く関係している可能性があるという説があります。

まず塩分が不足すると、唾液や消化液中の酵素を活性化する塩素も不足します。ご飯がおいしく感じられない、口の中がべたべたするような不快感が残る、などつわりの時によく聞かれる症状は、ご飯にふくまれるでんぷんが糖に分解されないためと考えられます。また胃の中でも消化酵素が十分に活性されず、でんぷんの消化吸収が低下するため、胃がもたれた感じになるでしょう。

そして消化しきれなかったでんぷんは大腸で腸内細菌のエサになり、ガスを産生します。消化しきれなかったエサが多いほどガスも増え、げっぷや腹部膨満感などの不快な症状の一因となるわけです。

吐きづわりはどうしておこるの?

食べても食べなくても吐いてしまう、水を飲んでも吐いてしまうというのがいわゆる〝吐きづわり〟です。起きている間じゅう常に気持ちが悪い…その原因は〝ニオイ〟かもしれません。

妊娠すると嗅覚が敏感になり、特にアンモニア臭に対する感受性が増すということがわかってきています。アンモニアは人体の腸内でタンパク質を分解する際に発生し、尿とともに体外に排出されますが、一部は汗や分泌物に混じって排出され、体臭のもとになります。いままでなんともなかった日常の生活臭や体臭が耐えられないもののように感じられるのはそのためです。人の暮らしあるところにニオイあり…ですから、常に気分が悪いと感じてしまうのも無理はないですね。

そしてほとんどの食品にも多かれ少なかれアンモニアが含まれており、加熱することで気化します。人間にとってごく少量のアンモニア臭は芳香と感じられるため、普段はご飯や焼魚など加熱された食品の匂いを「おいしそう」「香ばしい」と感じますが、妊婦は過剰に敏感になっているため不快に感じ、においを嗅いだだけでも気分が悪くなると考えられます。

また、つわりが妊娠悪阻といわれる病的なレベルにまで重症化する人には、高アンモニア血症といわれる症状が見られることがあります。この場合はタンパク質を摂取すると嘔吐しやすくなってしまいます。牛乳や卵、肉・魚が無理…というタイプのつわりの人は、こちらを疑ってみる必要があるかもしれません。まずは医療機関で相談しましょう。

食べづわりはどうして起こるの?

空腹になると気持ちが悪くなるためなにかしら口にしてしまう、あるいは特定のものが無性に食べたくなるなど「食べづわり」といわれるタイプのつわりもあります。

なかには、空腹が気持ち悪くて食べてしまうが、食べると吐いてしまう…という同時多発型もあるようです。いずれにしても胃部不快感という消化器症状の一種といえます。

何かがやたら食べたくなる!止まらない!といった場合では、フライドポテトや唐揚げといった揚げ物、アイスクリームといったものがよく聞かれます。いずれも脂肪分が多いものであり、胃酸が胃壁を刺激するのを和らげてくれる効果や、体内で過剰になっている成分の吸収を遅くする効果などを身体が求めているのかもしれません。

つわりが重くなる要因

先述の通り、つわりの原因ははっきりと究明されてはいませんが、つわりの重いケースには下記のような傾向がみられるということです。なお、同じ人でも1人目2人目でつわりの出方が違う、ということがあるので、〝つわりの重い人〟という類型が存在するわけではありません。

  • 副交感神経系活性傾向
  • hcg、エストロゲンといった女性ホルモンが高値
  • 頭を使う仕事(ストレス)が多い
  • 血清成分が高カルシウム、低ナトリウム/カリウム/マグネシウム状態

日常生活でホルモン分泌をコントロールするのは難しいですが、例えば頭脳労働は短く時間を区切って休憩を多くとるようにする、ぬるいお風呂より熱いシャワーで交感神経を活性化する…など、上記から逆算的な工夫を試みてみるとつわりを軽くすることができるかもしれません。

つわりの対策は?

まずは水分補給をこころがけて!

妊娠すると血液の量が増えるため、水分の要求量も増えます。また、吐くことが多い人は水分が不足しがちになるので、意識して水分をとるように心がけてください。ですが、真水だけだと血液の成分を薄めてしまうので、つわりが悪化したり、むくみやこむら返りといった症状がでてしまうことも。スポーツドリンクや経口補水液を利用するなど、電解質の補給も合わせて行うようにします。

水を飲んでも吐いてしまうほど吐き気が強い場合は、氷を口に含むなどして、少量ずつ回数を多く摂るよう工夫してみましょう。電解質補給は塩飴やタブレットなどを併用してみてはいかがでしょう。塩飴は、唾液中の酵素の働きが悪くなっていることが原因の口中不快感を改善する効果もあるようです。

一説によると、意外な理由でNGとされるのがなんと緑茶。コーヒー・紅茶に比べてカフェイン量が少なく、糖質の消化を妨げるカテキンが多く含まれているので、体重増加を気にする妊婦さんにとっては悪くない飲み物…のようですが、つわりの時期には避けたほうが無難かもしれません。
というのも、緑茶に多く含まれるL-テアニンは副交感神経を活性させるため、リラックス効果があるといわれています。ところが、つわりが重症な妊婦ほど副交感神経活性が高いと報告がされており、緑茶を飲むことでさらに症状を悪化させてしまうおそれがあるということです。つわりの時期を過ぎてからにしたほうがよさそうですね。

冷たい飲み物や炭酸水は胃腸の動きを促すので、一時的にスッキリしますが、飲み過ぎは逆効果なので、一度に150cc程度にしましょう。

食事は食べられるものを少量ずつ

妊娠初期は赤ちゃんの脳や神経、内蔵など重要な器官が形成される時期でもあります。そんな大切な時期につわりがひどいと、ちゃんと食べられなくて赤ちゃん大丈夫かな…?と心配になってしまいますよね。

でも胎盤が作られてへその緒でつながる前の妊娠初期、赤ちゃんは受精卵由来の卵黄嚢から栄養をもらっています。もちろんママの体内では血液がたくさん作られたり、子宮を大きくしたりという作業が急ピッチで進められているのですが、本当に必要なものは体内に蓄えられたものから使われていくので、とりあえずは神経質にならなくても大丈夫。とにかくそのとき食べられるものを、少しずつ回数を分けて口にするようにしましょう。

臭いで食べ物を受け付けないタイプのつわりに悩む人は、ご飯に梅干し、焼魚にレモン汁をかけていただくなど、レモンやお酢の使用が有効です。クエン酸が不快に感じる元であるアンモニア臭を消してくれます。ただし逆流性食道炎を併発している場合は、酸味により吐き気が誘発される場合がありますので、食事は医師の指示にしたがいましょう。

また、食品を温めることで臭いが強く感じられるので、例えばパンはトーストせず常温で食べる、ご飯は小さなおにぎりにしておいて冷めてから食べる、など温度にも気をつけるようにするとよいでしょう。

食べづわりは体重増加に注意!

赤ちゃんの分まで二人分食べなさい、というのは昔の話。妊娠中の体重増加は、さまざまな合併症の発症リスクを高めるとして、現在では体重コントロールが重要という認識になっています。それらの合併症の中には、妊娠期だけでなく産後の体にも影響したり、胎児の成長を妨げたりするものもあるので注意が必要です。代表的な合併症を挙げてみると

  • 妊娠糖尿病
  • 妊娠高血圧症候群
  • 陣痛が弱まりやすい、帝王切開になりやすい

などがあります。
なお、標準体型の人で妊娠中に増えてもよいとされる体重は+8kg程度。これは赤ちゃんや羊水の分も含んだ数値なので、母体だけの増加でいうと+3〜4kgといったところでしょう。

空腹時に気持ち悪くなるという人は、1回に食べる量を減らし回数を増やす、間食にはカロリーの低いものを用意するなど、食事の摂り方を工夫するのが効果的です。

ニオイで気分が悪くなる人はマスクを

先述の通り、妊娠時はアンモニア臭に過敏になるため、生活臭や体臭によっても気分が悪くなったり吐き気が誘発されることがあります。その場合は「(アンモニア)消臭マスク」の着用で改善が期待できます。もしくは、クエン酸を1%に希釈した液をガーゼに吹き付けマスクの間に挟むと、アンモニア消臭効果があります。

つわりのときにおすすめの食べ物

食後胃がもたれるような場合は、消化を助ける酵素β-アミラーゼを含む山芋、カブ、人参、キャベツを摂るのがおすすめです。加熱してしまうとβ-アミラーゼが働かなくなるので、必ず生食するようにします。
また、果物の甘さの成分「果糖」は唾液による分解を経なくても甘さを感じられるため、唾液中の消化酵素活性が低下しがちな妊婦にも美味しいと感じられるようです。

まとめ

つわりになるならないは、妊娠してみないとわからないということになります。大多数の人がなるものと心得て、つわりの期間を少しでも楽に過ごせるよう対策をしましょう。

精神的なストレスもつわりを重くすると言われますので、無理をせず、身体がつらいときは横になる、家事はパートナーに協力をお願いするなどして乗り切りましょう。