つわりの症状・原因・ピークを知ろう

つわりとは

つわりとは、妊娠初期から始まる妊娠期特有の生理的現象の事で、吐き気・嘔吐を代表とした様々な不快症状を指します。50~90%のお母さんが経験していると言われていますが、その症状や程度については実に様々です。

つわりの症状

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つわりには大きく個人差があり、実に色々な症状があります。例えば同じ空腹感に吐き気をもよおす場合でも、食べることによって楽になるケースと、食べて嘔吐してしまうケースなど様々です。また、全くつわりが無い人から、薬を処方される人、入院を余儀なくされる人までその程度にも大きな差があります。

①吐き気・嘔吐

つわりの症状で最も多いのが吐き気・嘔吐です。テレビなどで急に口を押さえて気分が悪くなり、妊娠に気付くといった表現がよくありますが、その位突然吐き気がやってきます。吐き気・嘔吐の程度や種類は様々で、空腹時に吐き気を感じる場合もあれば、においなどをきっかけに気持ち悪くなる場合や、何もしていなくても一日中吐いてしまうような場合まであります。
吐きつわりは母体に対し筋肉・神経系統を挙上させ、体内に胎児のための領域・スペースを作る働きがあるため嘔吐を無理に我慢する必要はないと言われています。

②胃のもたれ・むかつき

吐き気や嘔吐がなくとも、胃が痛くなったり、胸焼けがしたりします。激しい胃痛を伴うときもあります。女性ホルモンの影響から胃の働きが弱くなるために起こる現象で、中にはげっぷつわりといって、胃のむかつきなどに加え、げっぷが断続的に出るといった症状もあります。

③倦怠感

つわり中の倦怠感は、理由もはっきりしないのにだるいのが特徴です。妊娠初期で吐き気もないのに毎日体が重たくてだるいときは、つわりの倦怠感かもしれません。倦怠感がつわりだと気がつかないと、「だらけている」「甘えている」と勘違いされるという意識がストレスにもなり、逆に自分を奮い立たせようと無理をしたり我慢をしがちです。そうなると、つわり期で終わる倦怠感がいつまでも続き、うつ病に発展することも考えられます。
嘔吐や発熱などがなくても、倦怠感はつわり症状だと知ることが大切です。赤ちゃんのためにしっかり休息とリラックスを心掛けましょう。

④嗜好の変化

妊娠した途端に今まで好きだったものが苦手になったり、逆に苦手だったものが食べたくなることがあります。特に特定の気にいったものばかり食べたくなるケースが多いです。これは安定期に入ってからも継続することがあります。カロリー、糖分や塩分など摂取量を気にしていれば我慢しなくても大丈夫です。

④匂いに敏感になる

妊娠すると、何故かにおいに敏感になるお母さんが多いです。食べ物だけでなく、お香など独特の香りがある室内には入れなくなることもあり、我慢できずに嘔吐感がこみ上げることもあります。洗濯洗剤や柔軟剤も特定の香りしか受けつけなくなったり、掃除用の洗剤で気分が悪くなることもあります。普段は全く気にならないような匂いにも身体が反応するようになる場合もあるので、マスクをしたり、自分のお気に入りの匂いをつけたハンカチなどを持ち歩いて当てたり、自分なりの対処法を見つける事が大切です。

⑤頭痛

妊娠中は頭痛に悩まされることがあります。これもつわりの症状の1つです。原因はホルモンバランスの変化や、ストレス、肩こり、貧血、水分不足など、様々挙げられています。妊娠初期の頭痛に挙げれられる原因としては、ホルモンバランスの変化が多いです。色々な原因が考えられますので、対策も考えられる原因に応じて色々と試してみるのが吉でしょう。「妊娠中だから薬が飲めない」と我慢せず、酷い場合は産院の先生に相談しましょう。妊娠中にも飲める薬や漢方を処方してもらう事もできます。

⑥眠気

眠気も多くのお母さんが経験する症状で、なんとなく常に眠気があるという程度の場合もあれば、いくら眠っても眠くて起きていられないというケースもあります。つわりの眠気はやっかいで、しっかり睡眠をとって睡眠不足にならないように心掛けていても日中眠くなってしまいます。もちろん疲労や睡眠不足が続いている時は起床も大変です。つわりが原因の眠気は気分転換や我慢することで多少は改善されますが、また翌日は眠気がやってきます。日中に短時間でも休息できる時間を作っておくと安心です。

⑦便秘・下痢

ホルモンの関係から、妊娠中は便秘に偏りがちです。便秘はつわりを悪化させるといわれています。また、逆に下痢に近い状態になる人もいます。

⑧精神的不安定

原因不明のイライラや憂鬱などがみられ、少しのストレスにも耐久性がなくなります。つわりが原因で不安定になっているのか、精神的不安定からつわりが酷くなってるのか、つわり自体の事がはっきり解明されていないためよくわかりませんが、長期の吐き気と不具合を伴う人は精神的な消耗も少なくないようです。
気持ちが不安定だと感じた時はあまり無理をしないようにこころがけましょう。気分転換したり、周りの人に甘える事も大切です。

つわりにはこれといった決まった症状があるわけではなく、上記症状をミックスしたような症状が起こると考えていいのかと思います。
私の場合、大好きなビールを美味しいと思えなくなった事に加え、定番ともいえる突然の吐き気・嘔吐から妊娠に気付きましたが、その後は嘔吐症状はあまり無く、胃もたれから来る吐き気とげっぷつわりによる食欲不振がひどかったです。そのためつわりの時期は偏食が進みました。一般的に酸っぱいものを食べたくなると聞く事が多いのですが、私の場合は毎日欠かさず食べていた納豆が全く食べれなくなり、バニラアイス、ファーストフードのフライドポテト、たらこスパゲティが無性に食べたくなりました。カロリー・糖分・塩分の大敵過ぎて笑えますが、量を少なめにして野菜たっぷりのスープと一緒に摂るとか工夫し乗り越えました。それでも、つわりであまり食べれないにも関わらず体重は順調に増加する結果となりましたが、我慢してストレスを感じるよりは工夫しつつ好きなものを食べた方がきっとお腹の赤ちゃんに良い!というのが私の見解(言い訳)です。
また、酷い眠気と頭痛も悩みのタネでした。

つわりの原因

実はつわりの原因ははっきりと分かっていませんが、以下のような原因が仮説として挙げられています。

①hCGの急激な分泌

妊娠が成立すると、受精卵の一部からhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが急激に分泌されます。このhCGは黄体を刺激してプロゲステロンの分泌が低下しないようにしています。これにより、受精卵は成長し妊娠を維持させているのです。
ところが、あまりにも急激に増加するため体がついていかずにつわりがおこるのではないかという説があります。しかし、つわりの重症度が必ずしもhCGの分泌量と一致しないため、hCGだけがつわりの原因ではないと考えられています。

②体の拒絶反応

妊娠は自然の摂理に従ったものとはいえ、妊娠初期の体はまだ受精卵を異物として認識し、一種のアレルギー反応としてつわりが出てしまうのではないかという説があります。

③自律神経の乱れ

妊娠により急激に体が変化するため心が追いつかず、自立神経が乱れることによってつわりがおこるのではないかといわれています。

④妊娠を維持させるための防衛反応

妊娠を維持させ、流産を防ぐために、つわりによって体をあまり動かさないようにしているという説や、体に悪いものを排除させるために吐き気・嘔吐が起こるのではないかという説があります。

このように色々つわりには色々な説がありますが、原因はこれら全てなのかも知れませんし、全く違う原因があるのかも知れません。

つわりの期間やピーク

つわりは早い人で妊娠5週頃から感じ始め、9週前後がピーク、11週頃から少しずつ軽くなっていき、胎盤が出来上がる15週~16週くらいに終わるお母さんが多いです。このつわりのピークは、先ほど原因の項目でお話ししたhCGの値がピークに達する時と同じで、hCGがつわりの原因と言われる要因でもあります。しかし、ピークを過ぎ、安定期に入ってからもつわりが続くお母さんもいますので、その辺りも非常に個人差があります。
私自身、安定期に入ってからも軽いつわり症状が続き、そのまま「後期つわり」へと移行したような状態になりました。後期つわりとは、大きくなった子宮が胃や腸などの器官を圧迫し、吐き気、胃痛、胃もたれ、げっぷなどの症状を起こしてしまうものです。もともとげっぷつわりが酷かった私にとってはほぼ変わらない症状とも言えます。一般的には妊娠後期に入ってから始まると言われていますが、妊娠23週目あたりから始まるお母さんもいるようです。私の場合はつわり症状が続いていたのでどこからが後期つわりだったのかははっきりしません。ただ、ちょうど23週目辺りには気付くと例の極端な偏食はなくなり、納豆も食べれるようになっていたので、この頃には後期つわりに移行していたのかもしれません。

つわりが酷い場合は無理しないで!

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つわりが辛いときは、我慢せずに産院に相談しましょう。「皆が経験する事だし」「甘えてはいけない」と、特に初めての出産のお母さんは頑張ってしまいがちです。しかし、つわりで水分や食べ物が摂れないとミネラルや電解質が不足しがちになり脱水状態に陥ったりする事もあります。病院で糖分や電解質の入った点滴をしてもらったり、つわりを楽にするような漢方を処方してもらうことができます。
更に、次のような症状がある場合はすぐに病院に行くようにしてください。

①一日中吐いている

②水分も全く摂れない

③体重が4kg以上痩せた

④おしっこの量が少ない

⑤ふらふらして日常生活がままならない

以上のような症状がある場合、妊娠悪阻という病気が疑われ、入院が必要になるケースもあります。妊婦健診を待たずに速やかに受診しましょう。

●妊娠悪阻

妊娠悪阻とはつわりが重症化し治療が必要になった状態で、最悪の場合意識障害などを引き起こすこともある危険な病気です。約1〜5%のお母さんが経験すると言われていて、妊娠悪阻の原因もつわりと同じ仕組みだと考えられています。
つわりと妊娠悪阻を区別する明確な基準はありませんが、症状の重さである程度区別できます。つわりの場合は、主に吐き気や嘔吐、倦怠感、眠気などですが、症状は一過性で、治療するまでもなく我慢できる程度で済みます。しかし、妊娠悪阻は何度も嘔吐を繰り返し、ほとんど食事ができないという状態が1日中続くのが特徴です。特に重度の妊娠悪阻は、「重症妊娠悪阻」と呼ばれることもあります。
妊娠悪阻の症状は、以下のように第1期から第3期へと段階的に悪化するので、できるだけ早く対処することが大切です。

①第1期

何度も嘔吐を繰り返す、あるいは食べ物をほとんど食べられないといった摂食障害が見られます。脱水症状による口の渇き、だるさ、めまい、便秘などが起こりやすくなり、体重が減少し始めます。

②第2期

第1期の症状が悪化します。飢餓状態のせいで体内の脂肪をエネルギーとして分解するので、その残りカスとして体内のケトン体が増加し、尿中にもケトン体が現れます。また、尿蛋白も出て、代謝異常による中毒症状なども見られます。

③第3期

めまい・幻覚・幻聴などの脳神経症状が現れ、肝臓や腎臓にも機能障害が見られます。妊娠継続が難しくなり、母体を守るために人工妊娠中絶を行わなければならないケースもあります。この段階まで適切な治療が行われないと、脱水症状や飢餓状態による意識障害などを起こし、お母さんも命の危険にさらされます。

程度によって治療法は異なりますが、妊娠悪阻と診断された場合は軽度であっても入院して安静にしながら治療するのが基本です。症状によって入院期間は異なり、数日で済む人もいれば数ヶ月以上入院する人もいます。
いずれにしろ、辛さを感じたら早めに受診する事が大切です。

まとめ

つわりの時期はお腹もまだ目立たないので、症状がひどくても外見上は今までと変わりなく見えるものです。そのせいで、周囲からは「ただ甘えているだけじゃないのか」といった偏見の目で見られてしまうこともあります。しかし、前述したようにつわりの悪化で妊娠悪阻という母体や胎児を危険な状態に晒す事態に陥る事もあります。自分の身体の事は自分がよく知っています。周囲の目に左右されず、何かあったらすぐに産院を受診するようにしましょう。
つわりが一人一人違うという意識も大切です。身近なお母さん先輩から話を聞いてみて参考にするのもいいですが、つわりを乗り切る方法を自分なりに色々試してみたりするのも、マタニティライフの一環として楽しむように過ごせたら幸せだと思います。