つわりの期間はいつからいつまで?ピークはいつ頃?

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© 2016 Pixabay

ドラマのヒロインが、突然の吐き気におそわれ洗面所へ駆け込む…。おめでたが判明する場面でよくある演出ですね。現実にあるとしたら、あれはいつ頃のことなのでしょう?

つわりはいつから始まるの?

妊娠初期にみられるつわりは、早い人で妊娠5週め頃から始まるといわれています。妊娠○週目というのは最後の生理がはじまった日から数えますので、28日周期を例にすれば、予定日に生理がこない時点で妊娠4週目ということになります。排卵日前後に性交渉をもってからまだ3週間ほど。計画的に妊活をしていたのでなければ、つわりがきて初めて気づく…というあのシーンも十分あり得るわけです。

一方で、妊娠8ヵ月を過ぎた頃から妊娠後期のつわりがはじまる人もいます。これはおなかの赤ちゃんが大きくなることで、胃や腸が圧迫されることで起こります。

つわりはどうして起こる?

妊娠初期に起きるつわりの原因は、諸説あるもののいまだに特定はされていません。遺伝、体質、環境、生活習慣、栄養状態、そしてその組み合わせ…と個人差が大きいうえ、実際の妊婦さんをつかってさまざまな実験を行うのは道義上難しいということもあります。
妊娠初期のつわりの原因として、現在有力な説には

  • 妊娠初期に分泌されるhCG(ヒト絨毛ゴナドトロピン)というホルモンが嘔吐中枢を刺激する
  • 身体が赤ちゃんを異物としてとらえてしまい、拒絶反応が起きる
  • ホルモンバランスの急激な変化で自律神経(交感神経/副交感神経)が失調状態になる

などがあります。

この時期体内で起きていること

卵管で受精した受精卵はおよそ1週間かけて子宮にたどり着きます。着床して約2週間という短い期間にもかかわらず、お母さんと赤ちゃんは絨毛という器官でしっかりとつながり、間もなく赤ちゃんの心臓が動き出そうとしています。

着床が完了すると、赤ちゃんの細胞からhCG(ヒト絨毛ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されはじめます。妊娠判定薬は、尿中のこのホルモンが一定量以 上になると「陽性」を示すしくみになっています。同時に、このホルモンが高値になると胃の不快感や嘔吐をもたらすので、つわりが起こるともいわれています。

妊娠5週頃の赤ちゃんの大きさは2〜5ミリほど、重さは2g前後。すでに頭になる部分と胴になる部分に分かれ、心臓だけでなく脳や脊髄、神経のもとが作られはじめています。

平常時の子宮はニワトリの卵ほどですが、この時期にはひとまわり大きく、レモンくらいの大きさになっています。ただしおなかがふくらみはじめるのは、まだ一ヵ月以上先のこと。つわりが軽いひとであれば、妊娠に気づいていない可能性もあるでしょう。

つわりって病気なの?

つわりそのものは妊娠経験者の70〜80%が経験する生理現象であって、病気とはいえません。ただし、何日も吐き続け水分や栄養が十分取れないほどになると「妊娠悪阻(にんしんおそ)」という病名がつき、治療の対象になります。点滴で水分や栄養を補う治療などが行われます。

妊娠初期は、赤ちゃんの発達に薬が影響するおそれがあるため、自己判断で市販の胃腸薬を飲むことはやめましょう。

妊娠後期のつわりのほうが飲める薬も増えますが、いずれの場合も医療機関を受診し、処方されたものを服用することをおすすめします。

つわりのピークはいつ?

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個人差はあるものの、おおよそ妊娠8〜10週め、月数にして妊娠3ヵ月頃といわれています。

この時期体内で起きていること

8週目には赤ちゃんの頭、胴体、手足といった基本的な形はすでにできていて、内臓や骨格の発達が進んでいきます。わずか3週間ほどの間に大きさは15ミリ程度から50ミリほどへと急成長。10週目には超音波でも赤ちゃんの手足がはっきり見えるようになるでしょう。子宮もオレンジ大〜グレープフルーツ大とさらに大きくなり、羊水も増えていきます。

赤ちゃんとママを繋ぐ中継基地となる胎盤も作られていますが、まだ完成はしていません。それまで赤ちゃんに栄養を送ったり血液を作ったりしているのが、受精卵から分化した卵黄嚢。それも10週目のおわり頃からしぼみはじめ、徐々に役目を終えていきます。

つわりには種類がある?

つわりといえば、主に吐き気や胃のむかつきといった消化器症状が象徴的ですが、ある傾向が極端に強くあらわれることを指して「吐きづわり」「食べづわり」などと呼びます。なかには複数の症状に悩まされたという人もいるようです。

吐きづわり、匂いづわり

食べても食べなくても吐いてしまう、水を飲んでも吐いてしまうという状態です。起きている間じゅう常に気持ちが悪い…その原因は〝ニオイ〟かもしれません。「匂いづわり」と呼ばれることもあるようです。

妊娠するとホルモンの影響で嗅覚が敏感になり、特にアンモニア臭に対する感受性が増すということがわかってきています。アンモニアは尿や汗に含まれ、体臭のもとになります。いままでなんともなかった生活臭や体臭が耐えられないもののように感じるのはそのためです。

そしてほとんどの食品にも多かれ少なかれアンモニアが含まれており、加熱することで気化します。ご飯の炊ける匂いや焼魚の匂いで気分が悪くなる…というのはよく聞かれる話ですね。

吐きづわりで心配なのは、脱水症状。水を飲んでも吐いてしまうという場合は氷を口に含むなど、少量ずつ回数を分けて摂るよう工夫しましょう。スポーツドリンクや経口補水液を利用すれば電解質も補給できます。

匂いづわりの場合は、消臭マスクの着用が効果的です。また、食事は冷ましてから食べると、匂いが気にならず食べやすくなることもあるようです。

食事は少量ずつ回数を分けて摂るのがオススメです。吐き気がひどくなるようなら、水分補給だけにして無理に食べなくてもよいでしょう。ただし絶食が何日か続くようなら、医療機関を受診しましょうね。

食べづわり

空腹になると気持ち悪くなるため、ついついなにかしら口にしてしまう、あるいは特定のものが無性に食べたくなるというのが「食べづわり」です。なかには、空腹が気持ち悪くて食べるが吐いてしまう…といった同時多発型もあるようです。

特定のものがやたら食べたくなる!といった場合では、フライドポテトや唐揚げといった揚げ物、アイスクリームなどがよく聞かれます。いずれも脂肪分が多く、胃壁に油膜を張り胃酸の刺激を和らげたり、嘔吐をもたらす成分の吸収を遅らせるなどの効果を身体が求めてのことかもしれません。また、嘔吐が続くと水分とともに電解質が失われますから、塩分が欲しくなるということもあるでしょう。

食べづわりで注意したいのは体重の増え過ぎ。肥満は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、難産のリスクが高まります。間食はカロリーの低いものをすぐ口に入れられるよう用意して、空腹感をしのぎましょう。

よだれづわり

つわりでなくとも、吐き気を我慢していたら唾液がどっと出てきた…という経験がある人は少なくないでしょう。よだれづわりの場合はその状態がずっと続き、唾液を飲み込むとさらに吐き気を催すという悪循環。吐き出すほかないため容器を持ち歩く人もいるというので、大変ですよね。

対策としてはガムや飴で紛らわしてしまうのがよいといわれています。

眠りづわり

生理の前や生理中、眠気に悩まされるという女性は多いでしょう。妊娠中も同様に、女性ホルモンの影響で副交感神経が活性化するためひどく眠くなったり、頭がぼんやりして注意力が散漫になったりします。

妊娠中は代謝も上がり、普段通り動いてもより疲れやすくなっているので、無理をせず身体を休めるのはよいことです。しかし、副交感神経活性が高い妊婦ほど、つわりが重くなる傾向があるという研究結果もあります。

眠気にまかせてずっとダラダラ過ごすのではなく、十分休んだら身体を動かしたり、熱めのシャワーを浴びるなどして意識的に切り替える生活を心がけましょう。

後期つわり

妊娠28週(8ヵ月)頃はじまるつわりについては、赤ちゃんの成長につれ子宮が上へ上へと大きくなり、胃や腸が圧迫されることが原因です。胃の内容物が押し戻されて 逆流性食道炎になったり、蠕動が不十分になることで消化不良を起こしたり、便秘になったりします。同様に肺や心臓も圧迫を受けますので、息切れや動悸を覚え、疲れやすくなります。
逆流性食道炎を併発している場合は、食後すぐ横にならない、休むときは仰向けになり、背に枕やクッションをあててすこし上体を起こして休むようにしましょう。

つわりがおさまるのはいつ頃?

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妊娠初期のつわりがおさまるのは、ほとんどの場合妊娠12週〜15週、子宮内で胎盤が完成する頃です。胎盤が完成すると、赤ちゃんに栄養を送ったり排泄物を処理したりという作業を胎盤が肩代わりしてくれるようになるので、母体への負担が軽くなるとされています。

妊娠後期のつわりの場合、赤ちゃんが大きくなることが原因なので、残念ながら出産まで続いたという人もいるようです。稀なケースですが、なかには初期のつわりが長引いたまま後期つわりになってしまい、妊娠中ずっと辛かった…という人も。
ただ、後期になると赤ちゃんの身体はほぼできあがっているため、服薬で奇形や先天性の障害を誘発するリスクは少なくなっています。ですので、この時期のつわりの辛さは薬を飲むことで緩和することができます。かかりつけの医療機関に相談して処方してもらいましょう。

まとめ

おめでたいこととはいえ、心や環境を整える間もないまま、体調不良に振り回されることからはじまるのでは、本人はつらいですよね。妊娠を意識したときから情報を得たり心構えをしておくと、いざという時すこしは余裕が持てるかもしれません。

しかし情報に振り回されては本末転倒。精神的なストレスもつわりを重くすると言われています。つわりは大多数の人がなるものと心得て無理をせず、周囲の協力を得るなどして乗り切りましょう。